
糸かがり製本は、折り丁(折りたたんだ紙の束)を糸で縫い合わせて本の背を作る製本方法です。接着剤だけで綴じる無線綴じと比べて、開いたときにページが平らになりやすく、長期間使っても背が割れにくい特徴があります。道具は少なく、手順を覚えれば自宅でも作れます。
01 必要な道具と材料
糸かがり製本に最低限必要な道具は、製本用の針、麻糸または絹糸、目打ち(穴を開けるための錐)、折り骨(紙を折るへら)の四点です。これに加えて、表紙を貼るための刷毛と糊があれば、一冊の本を仕上げられます。
針は製本専用のものを使うことをお勧めします。一般的な裁縫針より先端が丸く、紙を傷めにくい設計になっています。糸は麻糸が一般的ですが、絹糸を使うと仕上がりが細く、薄い紙に向いています。
02 折り丁の作り方
折り丁とは、複数枚の紙を重ねて半分に折ったものです。一つの折り丁に使う紙の枚数は、紙の厚みによって変わります。薄い紙(60〜70g/m²程度)なら一折り丁に8枚(16ページ)まで使えますが、厚い紙(90g/m²以上)では4〜6枚(8〜12ページ)が扱いやすいです。
折り丁を折るときは、折り骨を使って丁寧に折り目をつけます。折り目が曲がると、完成した本のページが揃わなくなります。折り目をつけた後、目打ちで糸を通す穴を開けます。穴の位置は、背の上下から約1.5cmのところと、その間を等間隔に分けた位置が基本です。
03 縫い合わせの手順
折り丁を縫い合わせる順序は、最初の折り丁から始めて、次の折り丁を重ねながら縫い進めていきます。縫い方にはいくつかの種類がありますが、初心者には「コプト綴じ」と呼ばれる方法が分かりやすいです。表紙と本文が同じ糸で縫われるため、完成後に背の糸が見えるのが特徴です。
縫い終わったら、糸の端を結んで固定します。結び目は本の内側に隠れるように処理します。表紙を貼る場合は、本文が完全に乾いてから作業を進めてください。
糸かがり製本は、一度手順を覚えると応用が広がります。次は表紙の素材を変えたり、紙の種類を変えたりして、自分だけの一冊を作ってみてください。