
コットンペーパーは、綿(コットン)の繊維を原料とした用紙です。木材パルプを原料とする一般的な用紙とは、繊維の構造も、インクとの相性も異なります。万年筆愛好家の間でコットンペーパーが好まれる理由は、書き心地だけでなく、紙の経年変化にもあります。
01 コットン繊維と木材パルプ繊維の違い
木材パルプの繊維は短く、製造過程で化学処理を経て均一な長さに揃えられます。コットンの繊維は長く、化学処理が少ないため、繊維本来の柔軟性が残ります。この柔軟性が、紙の表面に微細な凹凸を生み出し、ペン先が紙に触れたときの独特の感触につながります。
また、コットン繊維は酸性成分が少ないため、長期間保存しても紙が黄変しにくいとされています。木材パルプ紙は時間とともに酸化して黄ばみやすい一方、コットンペーパーは保管環境が適切であれば、変化が緩やかだといわれます。
02 インクの発色と乾燥時間
コットンペーパーは、万年筆インクの発色が鮮やかになる傾向があります。繊維の隙間にインクが均一に浸透するため、色の濃淡が安定して出ます。特に、シェーディング(インクの濃淡の変化)が楽しめるインクとの相性が良いです。
乾燥時間は、木材パルプ紙より若干長めです。インクが繊維の奥まで浸透するため、表面が乾いたように見えても内部はまだ湿っていることがあります。書いた直後に手が触れると、にじむことがあるので注意してください。
03 コットンペーパーの選び方
コットンペーパーには、綿100%のものと、コットンと木材パルプを混合したものがあります。混合比率によって書き心地と価格が変わります。万年筆との相性を重視するなら、綿100%のものを選ぶと、コットンペーパー本来の特性を体感できます。
厚みも重要な選択基準です。薄すぎると裏抜けのリスクがあり、厚すぎるとノートにしたときにかさばります。A5判のノートに使う場合、90〜100g/m²程度が扱いやすいと感じる方が多いです。複数の厚みの紙を比べたいときは、お問い合わせください。
コットンペーパーの特性は、実際に書いてみると数値では伝わらない部分が多くあります。ご不明な点があれば、お問い合わせください。